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「先生もハダカに・・・・・」

 練金術はやわかり 

 あるいは「自殺はやめなさい。」

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by そらしま

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. マイホームパパは頭を抱えながら八方塞がりな時間をやり過ごしている。

. すべてのものが無常で安定性を欠き、よりどころなく流動しているとしたら、

. パパの今までの努力と精進は何だったのか?

. 血の滲むような節約の果てに購入したマイホームも、その劣悪な建材のため

にわずか15年でメンテが必要になっている。

. スローモーションで公園を走り回っていた子供達も、思春期になりここ一ヶ

月ほど顔を見ない程パパの心の中から遠ざかってしまった。明るい成長が続く

だろうと思っていた会社も倒産寸前で父さんはすでに窓際だ。

. 脳天気な女房はとなりの居間でTVを見ながらキャキャと笑っている。

. パパに聞こえて来たのは明るい歌謡曲だ。

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. 渚のバルコニ−で待ってて

. ラベンダ−の夜明けの海が好きなの

. そして秘密…… 

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. しかしパパの秘密の暗闇は消えない。この憂鬱はパパがこのラベンダーの海

へ入る前の不安とは少し違っていた。その時のパパ、ハダカの医者でもあるパ

パは、ハダカの患者の女を前にして、とにかく左も右も分からないのに欲望に

身を任せ、紫色の海底での人魚姫との禁じられた近親相姦な一夜を夢見ていた

時とは。

. その時、渚で何かを待っているパパの前の無意識なる紫色の海は、パパに

Lovelyで、大いなる秘密を明かそうとしていたのだから。

. パパは心を開こうとしていた。

. パパはラベンダーの海(無意識)へと両手を広げながら入り込む。

. まずはその中へと。

. バルコニーはベランダになり、ベランダはラベンダ−の海となって、魔女の

秘薬ベラドンナの力を借りた時のようにトリップ感をともなったスライドする

ズームインでその検証へと突入する。

. しかしパパのこのムラサキ色の海でのバカンスは、暫く現実へ、世間へ、陸

へ、浦島太郎のように、戻れない事を意味する。

. 現実ばなれした夢の検証や、己の深層心理の己自身での探究は冒険であり、

非社会的だ。帰って来れない者もいるだろうし、途中で命を落す事になるかも

知れない。すぐ隣に狂気の谷間が控えているのだ。

. だが知性というものが、踏み外さない知恵というものが、あらゆる世渡りの

術が、つまり薬の中の薬が「客観視」だと言う意味においてパパは自分の心の

中をいずれは海の上を輪を描いているトビのように見渡されなければならない。

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. 医者の場合は患者の無意識の海からその性格の源泉となっている、親からの

刷り込みや、今までの精神的葛藤の履歴を、夢の話しや、絵や、箱庭造形や、

催眠トランスでの会話から読み取り、それがより正確であるならば、患者の病

根を把握でき、そのコンプレックスを患者自身が客観視できるように即す事が

出来るのだ。

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. そこであなたも、少し浅めのその渚を覗いてみる。

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. あなたの心理タイプはあなたの心の、渚のように揺れ動いてしまう方向だ。

心に響いて来たものを処理する傾向の形だ。

. 次ぎにパパはもう少し深めの所に己の内なる人魚姫が泳ぎ去るのを垣間見て

その検証に取りかかるのだ。

. あなたの人魚は絶対的な愛を誇る母親かも知れないし、冷酷で残忍な父親か

も知れない。どちらにしろもっとも結婚や人生といったものに、あなたの意に

反して深みから、影から影響して来るものだ。

. さあ、それでは、あなたが検証したあなたの意志とは別の、心の中の人格の

ようなものを踏まえて、これから錬金術のイラストを丁寧にはじめから見て行

く事にしよう。

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